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注文住宅

「薪ストーブがお出迎えする家」
——古民家再生、伝統とモダンが共存する薪ストーブのある暮らし

お施主様との出会いは、以前ご縁のあったオーナー様からのご紹介でした。

「友人がリノベーションを考えているみたいだから、一度相談に乗ってあげてよ」というお声がけがきっかけです。打ち合わせに伺うと、そこはなんと、ご主人のお父様が長年営まれていた店舗。地元の方々に愛されてきたお店でしたが、高齢化に伴い閉店することになり、ご主人が「思い出の詰まったこの建物を壊すのではなく、自分たちの家として生まれ変わらせたい」という想いを抱かれていました。


建物の内部には立派な梁組が施されており、それを活かしながら、現代の暮らしに合う住まいとしてリノベーションすることが今回の大きなテーマに。

また、ご主人が以前から希望されていた「薪ストーブのある暮らし」も、薪の確保が可能なことから実現へ。リビングの中心に薪ストーブを据え、空間全体にぬくもりと視覚的な豊かさをもたらす設計としました。


構造的にも、住宅とは異なる店舗からのリノベーションは決して簡単なプロジェクトではありませんでしたが、お施主様と何度も打ち合わせを重ねました。時には雑談で盛り上がって気がつけば3時間…という日もありましたが(笑)、そうした時間の積み重ねが、数々のアイデアを形にしていく原動力になったと感じています。


外観は、既存の切妻屋根と梁構造を活かしながら、黒を基調とした外壁と木製の玄関ドアで和モダンな趣を演出。手を加える部分と既存を活かす部分を明確にし、焼杉の羽目板を一部に使用することで、建物の雰囲気を大切にしながら耐久性も確保しました。焼杉は「100年ノーメンテナンスでも良い」といわれるほど優れた素材で、今回の住まいにも非常に相性の良い仕上がりとなりました。


室内では、既存の太い梁をあえて露出し、吹き抜け天井と融合させることで、伝統的な趣と現代的な開放感を両立。床には明るいトーンの無垢材を使用し、キッチンや造作カウンターには木目を活かした素材を採用。ナチュラルな温かみを大切にしながら、機能性も重視した空間構成を目指しました。


もともと通路だった部分を玄関ホールに再構成し、入って正面には薪ストーブがお出迎え。

玄関ホールを挟んで右側には、店舗時代の座敷を活かした将来仕切れる子供部屋を、左側にはLDKを配置。ホールで空間が分断されないよう、「飛石」ならぬ木製の「飛板」を設け、視覚的にも遊び心のある動線を確保しています。


また、ダイニングテーブルを置かないというご希望に合わせて、店舗時代に使われていた一枚板のカウンターを丁寧に解体・研磨・再塗装し、ダイニングカウンターとして再生。かつての面影を残しながら、新しい暮らしにフィットさせる工夫のひとつです。


厨房だったスペースは寝室へ、トイレ・手洗いのあった部分はバス・トイレへと機能を再配置。外部からしか出入りできなかった小屋裏には、内部からアクセス可能な片足ずつ登る階段を設け、空間の活用性を高めました。


また、断熱性能の向上にも注力。元は単板ガラスだった全ての窓を、断熱性の高い複層ガラスのハイブリッドサッシに交換。窓からの熱の出入りを抑え、室内環境の快適性を大幅に改善しました。可能な限り断熱材も施工し、四季を通して心地よく過ごせる住まいへと生まれ変わりました。


施工情報

施工概要 注文住宅
地域 下伊那郡喬木村
工期 6ヶ月
建物のタイプ 平屋(リノベーション)
延床面積 106.82㎡
間取り 3LDK
外観の特徴 焼杉板張り
内装のこだわりポイント 天井の梁組、無垢の建具や家具

COMMENT

スタッフコメント

「壊す」のではなく、「活かして生まれ変わらせる」。
この住まいは、お施主様の建物への深い愛着と、新たな暮らしへの希望を丁寧にかたちにした、唯一無二のリノベーション事例です。
お施主様とは年も近いこともあり、少し友人のような感覚でお打ち合わせができました。
トイレの照明のスイッチを内側につけるか外側につけるかの議論は今でも良い思い出です。
細部にまで拘り、無垢材を多用した趣ある住まい。
地域に愛されたお店が、今度は家族の暮らしをあたたかく包み込む住まいとして、また新しい時間を刻み始めました。

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